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(2010年5月9日の記事)
訪問マッサージの東京在宅サービス
地域担当営業のみなとです。
今回のテーマは「戦友」です。
私が訪問マッサージのお試しでN区に行ったときのお話です。
女性マッサージ師の「まゆみん」と一緒に、ご利用者様のIさん宅へ伺いました。
ちなみに「まゆみん」というのは、私が勝手につけたあだ名です。
可愛らしい響きですが、彼女は明るくて気さくなベテランマッサージ師です。
そのすごい特技は、
初めて会うご利用者様の懐にどんどん入り込み、10分後にはすっかり仲良くなってしまうこと。
その性格と接遇術は、社内トップクラスと言っても過言ではありません。
■脳梗塞からの驚異の回復
Iさんは80代の女性で、昨年末に脳梗塞で倒れ、
リハビリ後に自宅療養をされている方です。
驚くべきは、わずか数カ月のリハビリで、
介護度が要介護4から要介護2にまで改善したことでした。
要介護4は、日常生活のほとんどに介助が必要な重度の状態です。
それが要介護2、つまり「助けがあれば何とか日常生活を送ることができる」レベルまで回復したのです。
多くの人がつらくて嫌がるリハビリを、
空き時間にも自ら志願して必死に取り組んだ結果でした。
その原動力は
「高齢の主人に迷惑をかけられない」という、
ご主人様への深い愛情でした。

■ご主人の大きな愛と葛藤
そして、そのご主人様もまた素晴らしい方でした。
ご自身の妻の介護は「他人には任せられない」と考え、
ケアマネジャーさんが提示する様々な介護サービスを、
これでもかというほど断っていたそうです。
ようやく最近になって、
ケアマネジャーさんや病院の理学療法士さん、看護師さんの協力もあって、
デイサービスや訪問入浴を始めたと伺いました。
ご自宅に到着すると、
にこやかでありながら、どこか厳しい目をしたご主人がいらっしゃいました。
事前にケアマネジャーさんから
「ご主人に気に入っていただくことが重要です」
と聞いていたので、私も少し緊張しました。
お話をお伺いし、いよいよお試しマッサージの時間です。
さすがの「まゆみん」、
すぐにIさんご夫妻の懐に入っていきます。
マッサージ師として施術力が高いのはもちろんですが、
彼女の真骨頂は、その接遇術にあるのです。
20分のお試しマッサージが終わる頃には、
「あんた、家族の一員か?」
と思うくらい仲良くなっていました。
■「戦友」という名の絆
施術を気に入っていただけたので、
手続きに入りました。
そのとき、ご主人様は愛する奥様のために、
玄関を車椅子が通りやすいように自ら改造したり、
退院時に寂しくないよう庭に花をたくさん活けたりと、
献身的に尽くしておられたことがわかりました。
思わず、
「奥様のために本当に一生懸命ですね」
と私が口にすると、
ご主人様はこうおっしゃいました。
「はっは、そうでもありませんよ。
戦前、戦中、戦後と、
激動の時代を二人で生き抜いてきたんです。
言わば、家内は『戦友』ですよ」
私は思わず涙ぐみました。
妻を「戦友」と呼び、
共に苦難を乗り越えてきたお二人の生命力と、
揺るぎない絆の強さに、
大きな感動を覚えました。
■互いを思いやる夫婦の愛
帰り際、今度は奥様にお話を伺いました。
「本当にリハビリを頑張られたんですね」
と言うと、
奥様は笑顔でこうおっしゃいました。
「そんなに頑張っておりませんよ。
だってね、あの人が一生懸命なんですよ。
私だけ楽はできませんし、
皆さん痛いとおっしゃるけれど、
そんなこと言えませんものね。
早く主人のために良くなりませんと」
脳梗塞で倒れた後も、
「夫のために楽はできない」
という発想で、
笑顔で努力できる強さに敬服しました。
幸いなことに、私たちは普段の仕事で、
人生の大先輩にあたる方々と日々お会いしています。
そこから学べる価値は計り知れません。
最近、改めてそんなことを感じている私です。
では、また次回!
あなたに笑顔と悦びを。
訪問マッサージ東京在宅サービス
営業のみなとでした♪