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07 端坐位で右側屈位になるパーキンソン病患者


Profile

都内在住の60代女性、2012年秋にパーキンソン病発症。主訴は首~背腰部の筋緊張が強く、端坐位保持が困難。生活は自立されており、週2回デイサービスを利用され訪問リハを週1で受けられている。趣味の卓球はリハビリも兼ねて練習に参加されており、パーキンソン病の卓球大会にも積極的に参加されている。日によって下肢の動きの差が激しく、室内で力が抜けて膝を打ってしまったり、外出先で突然動けなくなってしまうことがある。

施術内容

筋緊張の緩和、血行促進を目的として仰臥位・側臥位・端坐位にて体幹~四肢のマッサージ、四肢の関節可動域の改善のために仰臥位にて他動運動を実施している。

姿勢の変化

施術前と施術後で、端坐位にて良肢位をキープし、後方から写真を撮影して姿勢の変化を評価

施術前は体幹側屈は右に10°
施術後は体幹側屈は右に4°となった
施術後の方がより良肢位に近い肢位を取る
ことができている

Case07 1

良肢位キープ時間

施術前と施術後で端坐位を取り、良肢位をキープできる時間を測定(崩れ始めた時間で終了)

施術前

1回目(6/21)2回目(6/28)3回目(7/5)
良肢位キープ時間28秒24秒24秒

施術後

1回目(6/21)2回目(6/28)3回目(7/5)
良肢位キープ時間40秒37秒38秒

施術前と後で、計測3回ともに、姿勢保持できる時間が4~6割増して延長された

マッサージ師からの所見

今回の結果から、マッサージ徒手療法を行うことで筋緊張が和らぎ、良い姿勢をキープできる時間が伸びることが分かりました。他の臨床でも多くの姿勢改善例が報告されており、パーキンソン病患者に対して短期的ではあるがマッサージ徒手療法が姿勢保持の一助になる可能性があるのではないかと思います。