厚生労働省指定難病の対応で過去一番多いパーキンソン病(2006 年~2019 年6 月で延べ977 名 ※弊社実績)の方で訪問マッサージに求める要望の多くに「筋固縮の緩和」が挙げられます。又、発症後の訪問マッサージ導入のタイミングは平均で約7 年後とのデータも出ています。病状がより進んでしまう前に筋固縮の緩和、身体バランスへのケアがその先の日常生活の維持、向上に繋げていく上でより重要かと考えられます。
profile
都内在住の60 才、要介護2の女性。2014年秋にパーキンソン病の診断を受ける。徐々に病気の進行は見られたが日常生活を維持してきた。以前からマッサージを良く通いで受けていて自宅のマッサージチェアも利用している。その後筋緊張が強くなるにつれて施術は強めを好む傾向になっていった。若い時はバレーボールを習慣的に行っていて基礎体力はある方。2019 年に転倒して右橈骨を骨折し現在プレート固定している(2020 年秋に除去術を予定)。その後通院が困難になり2020 年6月に訪問診療の導入に至る。現在は睡眠不足(1 日3 時間程度)や冷え性で手指の強張りが強く出ている。介護サービスは月曜に訪問看護(バイタル、服薬管理の他にアロママッサージも受けている)、火曜~金曜は1 日型のデイサービスに通所していて帰宅は17 時頃。
体験マッサージ
訪問診療の相談員から依頼を受け2020 年6/22 の14 時に状態確認と体験マッサージで訪問する。触診すると第2、第3 頸椎、第4 腰椎付近に強い筋固縮が認められた。
パーキンソン薬は13 時半頃に服薬していて体験が終わった後の説明にも同席して15 時頃まで比較的落ち着いていた印象でした。施術の目標としてまずは頸、両肩、背部の筋固縮の緩和に設定して6/27 より医療保険での訪問マッサージが開始になりました。
筋硬度計での測定について
2020 年7/8~8/1 の計8 回の訪問時に特に筋固縮が強い左右の肩と腰部をマッサージ前後に測定しました。主旨としてまずは数値で示す事でご利用者様に施術をより前向きに受けて頂く事と今後の施術方針に活かしていく事にあります。
数値(トーン)の特徴として第1 週目と第4 週目では左右の肩は32 から15 に低下しています(左右平均値)。又水曜の通所後は筋固縮の数値が高く出る傾向でした。

マッサージ開始から週を重ねる毎にご本人の施術に対する感覚が変わってきて、当初強めの施術を求められていましたが、その強さだと逆に強すぎる感覚になり訪問初日を10 とすると8/1 には5 程度の強さで施術後大分楽になるとのお言葉を頂きました。今後も服薬タイミングやその日毎の体調を確認しつつコミュニケーションを良く取った対応をしいていければと思います。