訪問マッサージの求人に応募すると、面接でほぼ必ずと言っていいほど聞かれるのが「なぜ訪問マッサージを選んだのですか?」という質問です。
この質問には、単なる志望動機ではなく「現場への理解」と「自分の強みとのつながり」が求められます。
とはいえ、経験が浅い方や他業種からの転職者にとっては、どこまで踏み込んで話せばよいか迷うところ。
この記事では、採用担当者の視点をもとに訪問マッサージの面接で印象に残る伝え方を具体的に解説します。
採用担当者が「なぜ訪問マッサージか」を聞く理由
そもそも、面接官は「なぜ訪問マッサージを希望するのですか?」と応募者に質問しているのでしょうか。
その主な理由について解説します。
1.「志望動機」よりも「理解度」を確認している
面接官がこの質問をする目的は、単にやる気を測るためではありません。
訪問マッサージの仕事は、施術技術だけでなく「利用者との関係構築」や「チーム連携」が不可欠です。
そのため、「訪問という形でなぜ支援したいのか」「在宅ケアにどんな価値を感じているか」といった“職種理解”を持っているかが重視されます。
たとえば、「外来ではできない在宅支援に関わりたい」「生活に寄り添う施術をしたい」といった動機は、現場理解が感じられる好印象な答え方です。
2. 現場への適性と定着意欲を見ている
訪問マッサージは、利用者のご自宅や施設を訪問するため、一人での対応力やコミュニケーション力も問われます。
そのため、面接では「どんな方に施術したいか」「どんな場面で力を発揮できるか」といった質問で、現場への適性を確認するケースが多いです。
採用担当者は「長く続けてもらえるか」を非常に重視します。
したがって、「在宅医療の一員として学びながら成長したい」「継続的な支援を通して信頼関係を築きたい」など、長期的な視点を盛り込むと効果的です。
「なぜ訪問マッサージか」を効果的に伝える3つのステップ
具体的に、面接で「なぜ訪問マッサージなのか」を上手に伝えるにあたり、考え方を3ステップで解説します。
ステップ1:原体験や気づきを盛り込む
「人の生活に寄り添いたい」といった抽象的な答えでは印象に残りにくいため、具体的な経験を交えて話すのがポイントです。
たとえば、次のような形です。
「以前勤めていた整骨院で高齢の方を担当した際、通院が難しい方が多いことを知りました。訪問マッサージなら、そうした方の力になれると感じたのがきっかけです」
こうした実体験をもとにした動機は、説得力があり「この仕事を理解している」と伝わります。
ステップ2:訪問ならではの価値を理解していることを伝える
「訪問マッサージは施術だけでなく、生活を支える医療の一部である」という視点を持てると、専門職としての信頼感が増します。
たとえば以下のような言い回しが効果的です。
「ご自宅で安心して施術を受けられる環境づくりも、訪問マッサージの大切な役割だと思っています。」
「医師やケアマネジャーとの連携を意識しながら、利用者の生活全体を支えていきたいです。」
このように「施術+生活支援+チーム連携」を意識した表現が好印象です。
ステップ3:自分の強みとの接点を示す
最後に、自分のスキルや性格が「訪問」という働き方にどう活きるかを伝えましょう。
例:
- 「初対面の方ともすぐに打ち解けられるコミュニケーション力がある」
- 「地道にコツコツ続けるタイプなので、継続的な支援に向いている」
- 「開業をして1人で行うよりもチームで連携する環境にやりがいを感じる」
採用担当者に「この人なら現場で信頼されそう」と思わせることができれば、合格にぐっと近づきます。
理解と誠実さが伝わる志望動機を
訪問マッサージの面接で大切なのは、派手な自己アピールではなく、現場理解と誠実さです。
「なぜ訪問マッサージなのか」という質問には、自分の経験や価値観を通して「在宅支援への共感」を伝えることが鍵となります。
東京住宅サービスでは、医師の同意書に基づいた在宅鍼灸マッサージを行い、利用者の「生活の質(QOL)」を支える施術を大切にしています。
技術だけでなく人との関わりを大切にしたい方にとって、訪問マッサージはやりがいあるフィールドです。
あなたの「なぜ訪問マッサージなのか」という思いが、利用者の笑顔と安心につながる第一歩になるはずです。

