脳卒中の実践的リハビリテーション 2
訪問機能訓練マッサージの
東京在宅サービスです。
H29.09.04(月)18:50~
東京在宅サービス3F会議室にて
脳卒中後遺症のリハビリについての
講習会を開催しました。
講師としてお招きしたのは、
株式会社アール・シー代表取締役、
千葉医療福祉専門学校 学校長の
理学療法士修士:井上美幸先生です。
タイトルは
脳卒中のリハビリテーション
実践的アプローチ Vol.2
井上先生にご来社頂くのは3回目となりました。
前回は実践的内容のvol.1でした。
前回も参加したことのある弊社の施術者は、
井上先生の心の垣根を越える明るい性格と
専門性の中にも実践的且つ平易な説明力に
大きな期待を膨らませて待っていました。
最初は前回のおさらいから。
脳卒中患者の麻痺側は、肩甲骨や骨盤がリトラクションしやすくなっています。
その状態を正常に戻さない限り(プロトラクション)、
ROMエクササイズをいきなり行うことは
リスクを伴い、効果も期待できません。
そこで、
どの順番で、
どこを支持しながら、
どのような”手つき”で
筋緊張を変化させコントロールするか。
そして何を基準として効果的で成果の出せるエクササイズとするのか。
「おさらいを簡単に」
「今日は端折りながら」
と仰っていましたが、
基本をないがしろにできない井上先生は
原理原則を飛ばすことはせず、
冗談も交えながら
丁寧に教えて下さいました。
続いて今回の実践内容。
脳卒中片麻痺患者に対しての
姿勢制御のアプローチ。
現場では、座位の状態から
・腕を上げたい ・ものを取りたい ・立ち上りたい ・歩きたい
という要望があり、それに対して施術者として応えていかねばなりません。
単純に麻痺側のエクササイズを
他動で行ったり、自動で応援して行わせようとしても
あまり意味はありません。
何故なら、【目に見えない】バランスの欠如・不安定性・不良があるからです。
目に見えないものをどう評価し、その能力をどう解釈するのか。
そしてどんな手を加えるべきか。
バランスのレベルを
・姿勢保持
・重心移動
・準静的動作
・動的動作
四段階に分け、レベルごとの状態の意味と
それに対応した機能訓練やリハ指導を
一つ一つ分割しながら、丁寧に教えて下さいました。
特に大切なのは、
姿勢保持=構えとして姿勢定位。
上下肢の運動の前に、体幹の正中、左右対称のアライメント、骨盤を立てることでの前後の重心バランスをきちんと見極めてセットしなおしてあげる。
すると、次の段階での介助やリハ指導、重心移動等でスムーズになります。
そうして初めて、
患者さんのご要望に即した機能訓練ができるのです。
私たち東京在宅サービスの施術者は
医療による訪問マッサージとして
施術を行っています。
「気持ち良い」「心地よい」
とご利用者に感じてもらうのは大前提です。
更に、“医療”としての機能訓練において
ご要望・QOLに貢献したいと思っています。
これからも東京在宅サービスは
毎週の勉強会・ミーティングの他にも
外部講師をお招きしての講習会等を通じてより良い技術を学び、
訪問機能訓練マッサージとして地に足をつけた、
知識と技術の向上に努めてまいります。
井上先生、貴重なお時間を頂きまして、
本当に有難うございました。
東京在宅サービス
インストラクター
小久保 智弘