中野在宅ケア研究会に参加しました。

中野区 訪問マッサージ 東京在宅サービス の相談員;湊です。

平成30年02月27日、中野区医師会館にて行われた、
第80回中野在宅ケア研究会に参加させて頂きました。
前回の中野在宅ケア研究会の様子はコチラ

今回は【高齢者の貧血】

まず、中村診療所の院長中村洋一先生より、
高齢者貧血でのケースを4名ほど上げて下さいました。

その治療ケースに対して、
新渡戸記念中野総合病院 血液内科部長の
秋山秀樹先生がコメント。

その後、秋山先生よりご講演をいただきました。
最初は、貧血ということそのものについて。
定義は何か?どこが決めているのか?
貧血と診断する上で大切なファクターは何か?
検査のどの数値を見て何を判断しているのか?

そのようなお話しを
平易で穏やかな口調で話して下さいました。

基本と用語解説が終わったところで、
出血がなく、溶血もなく、
骨髄機能が正常であったと仮定して、
【高齢者の貧血】とはどのようなものに
分類診断ができ、その治療を行うのか?

その考え方の流れを説明して下さいました。

血液検査では、まずこの数字を見る。次にここを見る。
すると、これがわかるから、こういう仮説が成り立つ。
ではこの治療でどうだろうか、という感じです。

●鉄欠乏性貧血、ビタミンB12・葉酸欠乏性貧血
これらが明らかに疑われる場合は、当然足りない栄養素を投与することで改善。
ビタミン不足は胃が重要。概ね萎縮性胃炎や胃切除などがあるとなりやすい。(吸収されにくいから)
葉酸不足は摂取不足。不足すると赤血球が細胞分裂できない。

●腎性貧血
腎臓機能が低下すると、実は赤血球を作るために働くエリスロポエチンというホルモンが減り、そのために赤血球が足りず貧血。
要するに、鉄やビタミンなどの材料がいくら沢山あっても、途中の工程で赤血球の工場ラインが止まってしまっている状態。腎臓機能を上げれば貧血は改善する。

●慢性疾患による貧血
材料も十分、腎臓も正常、でも慢性疾患(膠原病とか)があれば、それだけで貧血になる。これは正しい生体反応。だから無理に貧血を治そうとするのではなく、慢性疾患の方を治療する方向で。

それらでもなければ、
●骨髄疾患(MDS)による貧血を疑う。
あるいは
●説明困難な貧血(要するにわからない=高齢者3割はむしろここ)

貧血だからと言って、
それだけを治そうとしてもより悪化する場合もある。
全体的な検査結果を見て、
年齢体力その他もろもろも鑑みて
どんな治療を、
どこまでするか
を医師(と患者)が決めていく。

【貧血】というよくある症状に対し、
医師がどの数値を見て、
どのように考えどのように方針を導くのか
それをトレースする形で
丁寧にお話し下さり、
非常にわかりやすく勉強になりました。

これからも東京在宅サービスは、訪問マッサージという在宅ケアにおいて、知識・技量だけでなく、地域で顔の見える連携を作っていくためにも、このような機会には積極的に参加して精進して参ります。

東京在宅サービス
中野区担当相談員 湊 貞行

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