こんにちは。訪問マッサージ東京在宅サービス
中野区担当相談員 湊です。

2/12(火)、
中野区の
摂食嚥下機能支援
多職種向け研修会
に参加してきました。

今回は
昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔衛生学部門 教授 弘中 祥司先生
のご講演でした。

タイトルは

【早めに気付こう嚥下障害
 -オーラルフレイル最前線-】

弘中先生は、まず
日本の超高齢化の全体像を
数字で示して下さいました。

人工構造が逆三角形になるのはもうすぐ。
さらには、
100才以上の高齢者数の推移として
昭和60年に1740人、平成2年に3298人、
平成12年に13036人、平成21年40399人。
今では、100才以上の方は、
6万人を超えている。

素晴らしいことではあるのです。

寿命も伸びているのですが、
平均寿命と健康寿命の差から
健康上の問題で日常生活に影響が出る期間が
女性だと12年以上、男性でも8年以上
続くのです。

そこで、歯の問題はどうか?

8020運動が進んでおり、
高齢になっても歯がある方も多くいます。

しかし
80才以上で、
20本以上歯を持つ人は30%を下回るのに
55%の人は「何でも噛んで食べられる」
と答えています。

これは、
「何でも噛める」と思っているけれど
実際は「食べやすい=軟かめの」食べ物を選んでいるのではないか?
すると「恐ろしい負の連鎖」が始まる、と弘中先生は指摘されました。

余程のことがないと歯医者に往かない
➡口の不調が放置され進行
➡軟らかいものを選ぶ
➡噛む機能が低下する
➡食欲も低下する
➡更に噛めなくなる
➡更に軟らかいものを選ぶ
➡機能が低下し食欲も低下する
➡更に…

この食欲低下が更に恐ろしいことを招くのだと弘中先生は細かく解説下さいました。

「日本人の食事摂取基準2015」では
49才以下の目標BMIの最低が18.5。
それ以下は痩せすぎという基準。
ところが、
70才以上の目標BMIの最低値は21.5。

食欲低下=栄養摂取量低下になる高齢者ほど、若い人より痩せてはいけない、ということ。

在宅医療の医師が連携を必要と考える診療科は「歯科」が最も多い。
医師は口腔の不調を回復させることが重要と考えているわけです。
ところが、高齢になれば他の身体的重大な疾患の治療が優先されるので歯科受診が減る。(人気がない)

よって、
加齢によって口腔内が変化し、
治療がより必要になるのに、
放置され、治療の難度があがり
他の疾患も合わせてリスクが増え
口腔機能が低下し栄養も低下し
自立度も下がるのです。

また、認知症との関連も教えて下さいました。
栄養状態が悪化するほど認知症の重度になり
噛める歯(入れ歯含む)が20歯以下になると認知症は重くなっているという研究結果でした。

これらのことを俯瞰すると
最近あちこちで耳にする、
「フレイル」に対する対策と考え方が
とても重要性を帯びてきているのが
実感できます。

フレイル、虚弱と訳されることもありますけれど、
要するに加齢とともに、
疾病や生活習慣や口腔機能低下などにより
ストレス耐性が弱くなり、
要介護状態になっていくこと
というようなことだと言えます。

フレイルとは
(健康長寿ネットのページが開きます)

加齢その他によってフレイルとなり、
要介護状態になってしまえば、
回復とうのは困難です。

フレイリティサイクルとして有名な、
負のスパイラルに陥ってしまう。

しかも問題は、身体的なものだけでなく、
精神心理的なフレイル、社会的フレイルも
同時解決に力を注がなくてはなりません。

しかも前述のように超高齢化により
時間も労力も予算も果てしなくかかります。

であるならば、
そうなる前に、
フレイルよりプレフレイルのその前から
その予防のために対応していく必要があります。

その一つとして、
日本発信の考え方、
「オーラルフレイルへの対応」
が求められるのだと弘中先生は強調されました。

口腔内の不調を整え、治療することは、
単に歯の形態を治すにとどまらず、
適切な栄養摂取、身体機能の維持、
社会参加への意欲
にもつながります。

オーラルフレイルの予防が
フレイルの予防にも大きく関係している
ということを学ばせて頂きました。

私たちマッサージも在宅に係る以上、
この摂食嚥下の問題は避けて通れません。
気づける、伝えられる、協働できる、
そんな洞察と関係性を気づいていかなければ
と思いました。

訪問マッサージ
東京在宅サービス
中野区担当 湊貞行