杉並区で訪問マッサージの相談員をしている湊です。
令和元年7月18日、杉並区歯科医師会館で開催された、
摂食・嚥下機能支援推進事業
第1回事例検討会
に参加してきました。

演題は
『食べる』を支える
〜生きる意欲を支えるために、ケアマネジャーに出来ること〜

主パネリストは、青い鳥の相田ケアマネジャー(いつもお世話になっております♪)

「人生の最終段階における、苦しみとは何でしょう?」

という問いかけから始まりました。

それは、

希望と現実の開き

病気も加齢も死も含め、
なんで?どうして?なんのために?という
誰も答えられない、自身の存在意義や人生の意味消失、理不尽と感じることへの苦しみ・・・

どう援助していくのか?

この時相田さんが口にされたことに、私はハッとしました。

「私たちケアマネジャーは、前職があります。しかし、私たちケアマネジャーは何もできません」

そうだ・・・結構多くのケアマネさんがここにいる。顔なじみも含めて。

みんな、看護師・介護職の経験者。
いわば、
ケアとキュアのプロフェッショナルとしての知識と技術と資格と経験と思いを持つ人たち。
「できる」し「わかる」のに「できない」

目の前の利用者に、
何もできない。
できることは、
待って、聞いて、調整することだけ。

利用者やご家族自身の苦しみとは比べるべくもありませんが、
ケアマネジャーの本当の辛さはここになるのかと少し理解できました。
(今日のテーマとは全く違う方向性ですが)

利用者自身の苦しみ。
その事例として、取り上げて下さったのは、
ALSの患者。

家族に迷惑をかけたくない本人の思い。
病院病気が非現実的だったのに突如、非現実が現実に。
そして、
自分の気持ちを「追い越して」サービスや治療を進めようとする医療・介護関係者への不信。
進行する病状。
増大する介護負担。
受け入れられない現実。
地域からも家族からすらも孤立することを望むまで追い詰められている思い。

相田さんは、「何もできない」けれど
「待つ」という姿勢を貫かれました。

ただ単純に無策で待ったのではなく、
信じて、無報酬で関わり続け、発信し続け、準備を続けてこられました。

元々「食べる」に関わる家のことそのものが、
この利用者の人生であり悦びだったのに、
病気によって、
食事量減少、遠慮によって食事回数減。
必然、体重減少、低栄養。
そして、誤嚥性肺炎。

ここに至って初めて家族が現実を知ることに。

一致団結して協力的になる家族。
それは、
ご本人の人生の中で、
「食べる」「食べさせる」ことに妻として母としての役割を存分に発揮し、家族間の幸せと笑顔を構築してきたことによるとわかりました。

「食べる」とは、この本人にとって、この家族にとって、どのような意味があるのか?

相田さんの長きに渉る準備と関わりとアセスメントが活き始めたのを、話の中で感じました。

「食べる」ことで本人の「生きる」ことに、
そして家族の笑顔のある生活に結び付けたサービスが開始。
そのことを如実に語る、訪問歯科の先生の言葉を教えて下さいました。

口は
食べる・息をする・しゃべる、だけの器官ではない。
人生を楽しむ器官なのです。

だから、胃瘻はあくまでも栄養を摂るだけ。
嚥下評価をして、
食べられるものを選定し、
工夫し、
目標を決め、
リハビリの意欲を高め、
食べることを先に考えたことで
笑顔を取り戻した人生を構築できるように支援されていました。

利用者の本当の願いや苦しみは何なのか?
思いを追い越さず、かなえたい生活に結び付けるには、どう接するのか?

その大きな一例を示して下さり、
大変気づきの多い事例検討会でした。

これからも、
地域でサービスに係るものとして
少しでも利用者の思いを汲み取れるように
精進してまいりたいと思います。

訪問マッサージ
東京在宅サービス
杉並区担当相談員:湊貞行