初任者研修で行う「アセスメント」について
初任者研修について
新型コロナの総感染者数が11月下旬の段階で13万人を超え、寒い季節になりさらに勢いを増して来ております。
その状況下でも東京在宅では感染症予防(新型コロナ対策など)をしっかり行い、少人数での初任者研修を実施しております。
初任者研修カリキュラムでは、鍼灸マッサージ・トランスファー・機能訓練・書類の扱いなど、計135時間を使い、臨床に出ても施術者が安心して患者様に対応出来るように、そして臨床に出てからも施術者の困りごとをサポート出来る体制を取っております。
今回は初任者研修で行う、アセスメント例をご紹介いたします。
アセスメント例
①パーキンソン病
②立ち上がり困難
③腰痛
④お通じが少ない
◎上記の情報から更に問診を進めて行きます
※患者基本情報 ご氏名、生年月日、住所、既往歴、保険証、キーパーソン、など
※介護情報 介護度、介護プラン、基本動作・移動など
※医療情報 バイタルサイン、通院情報、服薬情報、訪問診療・訪看・訪リハなど
①パーキンソン病について
いつ発症、治療方法、服薬、経過、通院頻度、重症度分類、MMT、ROMなど
②立ち上がり困難について
いつから、動作時痛、MMT、ROM、運動パターンなど
③腰痛について
痛み、姿勢、医療機関での治療、先生の治療方針、薬剤
④便秘について
いつから、お通じの状態、食事の内容、お小水の頻度、医療機関での治療、服薬、セルフ対策など
◎問診・触診などから得られた患者様の情報
①パーキンソン病について
7~8年前に発症、服薬レボドパ(1日/4~5回)、前傾姿勢、両手に振戦少々、通院1ヶ月に1回、後頚部~背腰部にかけての筋緊張、重症度Ⅱ度
②立ち上がり困難について
5年前から困難、ROMは特に問題なし、MMTは下肢筋力の低下が診られる、動作時痛は無し、立ち上がり運動パターンは改善が必要(前傾姿勢)
③腰痛について
2年前から、腰の下の方に痛み、仰向けで痛みが出やすい痛みがある時は膝を立てる・側臥位になると痛みは緩和、医療機関に受診無し
④便秘について
最近3日に1回程度のお通じ、柔らかい便が多い、食事量は少ないが1日3回食べている、お腹の張り・痛みが有る、医療機関の受診無し
※医療情報
訪問診療は無し、訪リハ週2回・座位保持と立ち上がり訓練を実施
※介護情報
要介護1、ヘルパー週3回食事・身の回り介助
※その他の情報
睡眠は良好、運動・鍼灸マッサージの経験は無し、日中はベッドで読書、基本的に1日中横になっている時間が多い、娘さんがキーパーソンで平日18:30に帰宅(日中独居)、7~8ヶ月前までは外出していたが現在は全くしていない。
※ご本人のご要望
腰痛緩和、立ち上がり改善
◎施術計画(短期・中長期目標)と具体的な施術アプローチ
⑴短期目標
・廃用による筋緊張緩和
鍼灸マッサージ・温罨法によるアプローチ
他動運動による各関節へのアプローチ
・お通じの回数増
温罨法で温めながら腹部のマッサージ、腹式呼吸
⑵中長期目標(3~6ヶ月を目途にした目標)
・本を座って読めるようにする、横になる時間を減らす
・立ち上がり困難の改善
訪リハと連携して、訪問マッサージの介入時に行う事が有ればアドバイスを頂き、実施
座位保持が有る程度可能であれば、紙風船を利用した座位保持訓練を実施
下肢に対してレジスタンストレーニングを実施していく
以上のように、問診や触診などから集めた情報が多ければ多い程、その方に合わせた施術アプローチが可能です。
料理を作る事と同じで、必要な材料が無ければ、その料理を作る事が出来ません。
短期、中長期目標を示す事で患者様やご家族は具体的な施術方針や必要な訓練が分かるので安心出来ます。
医療としてはこの安心感が何よりも大切です!
東京在宅は施術者一人一人がホスピタリティを持って、患者様に寄り添った施術対応を心掛けております。
患者様に「あなたで良かった!」と感じて頂けるような、施術者育成を続けていきたいと思います。
最後までお読み頂き、感謝申し上げます。